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選評
本来、この稿は選評を求められているのであるが、柳多留も第四集となっている。それに、これまでも類想句の多いことが指摘されて来ているし、今回も同じことであった、そこでこの際、改革を提案しておきたいのである、この類想句問題は課題選考に一因があろう。」勿論、課題選考方式を否定するものでないが、課題に制約されて自由な発想とか、視野を狭隘にすることは確かであって、創作本来の姿とは言えないのであろう、各地、各社間等の主張の相違もあるだろうが、その評価を包括する目的でもあるとするならば、それは別ものであろう。何れにしても参加作品の類想性については作者だけの責任といえないものがある。
これは他ジャンルと比較すべきものでもないが、主体的な独自性と作品の資質を高める意味でも変革期になっていると言えよう、課題選考についての基本姿勢がありとすればそれを聞かなくてはならないが、作者側にとっても、選者としても一つの手法に過ぎないのであって、作者の主張や個性などが生れてくる要素は少ない、揚句の果てに全く選句の対象とならない事象が発生されては選者側の責任では済まされないものである、
柳多留に対する応募作品が毎年増加して、今回も二、六八五名の参加となっていることは、日用協の期待に添うものになっているが、これが世に問う作品集として充実させるためには、拘束されない自由な創作活動のできる環境が必要だと考える。
辻晩穂

 

 

 

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